国家強度のジレンマ
国家強度のジレンマって言葉ググっても出てこないのね。
- 作者: 中西寛
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: 新書
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だそうです。
発展途上国の多くでは軍部の政治的影響力が強く、兵器が国内治安のためにもちいられることもある。そのメカニズムをK・J・ホルスティのいう「国家強度のジレンマ」という概念で説明することができよう。国家は本来、社会から資源を獲得し、一定のサービスを行うことで統治の正当性を獲得する。そして強い正当性をもっている国家ほど、直接的な収奪によらず、間接的な方法(たとえば税収)で資源を獲得できる。しかし発展途上国ではしばしば支配の正統性が確立しておらず、国家は直接的な収奪に訴えて資源を獲得せざるをえない。しかしこれは国民の反撥を招いていっそうの抑圧をもたらすだけでなく、社会の活力を失わせて獲得できる資源も先細りとなっていく。このようなジレンマに陥っている発展途上国は、軍事力の強化に行き詰まりを打開しようとする傾向をもつのである。