情報を増やす事より減らす事に金を払いたい。
なんかこんな事は、佐々木俊尚氏とか津田大介氏が言ってそうな気がしますが見つからなかった(Google呪文詠唱能力が足りませんでした)。
自分はemacs-w3m shimnbunというものをずっと使っています(ウェブ上の新聞を読むための道具: サポートはすでに終了で、自力で対応しています。コードはとても汚いですw)。これはmew-shimbun.elと組み合わせる事でmewのメールボックスにshimbunというフォルダを掘って、そこに新聞記事を保存してくれます。新聞社名がFrom: 見出しがSubject: 公開日時が Date:となります。
で、一日に2,000件以上の記事が集まってくるわけですが、よく言われるのが「全部読んでるの?」という事ですが、全部読んでいるわけがありません。全部読んで全部記憶するなんて嫌だから保存しているのです。
まぁこの本
- 作者: 椎名健次郎
- 出版社/メーカー: 宝島社
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の最後の章の名は「ニュースに未来はない」ですが、読者もポータルサイトも新聞記事にほとんど金を払おうとしない今、取材費のかかるニュースは、どんどん駄目になっていくだろうという事でした。まぁ先ほど「全部読んでるの?」とよく言われると書きましたが、他にも「なんで未だに情報源を日本語に頼っているのか理解できない」みたいな事を言われる事もあります。たしかに僕の拙い英語力でも英文記事でも読んでた方がマシなんじゃないかと思える事もあります。
しかし2007年6月に"インマン元CIA副長官、諜報能力低下に警鐘"という記事があり、『インマン氏は「最も不足しているのはスパイではない。公開情報を収集できる人材だ」』と言っているんですよね(情報というのもinformationではなくintelligenceなんでしょうけど)。そしてその不足がイラクの大量破壊兵器の有無の判断を誤らせたと。
これは
インテリジェンス―国家・組織は情報をいかに扱うべきか (ちくま学芸文庫)
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でもCIAで分析官を勤めたリチャード・フリードマンが、もっとも一般的な情報源は議会図書館、そしてLexisNexisやロイター、ニューヨーク・タイムズなどの有料データベースであったと言っていたそうです。しかも諜報活動で集まる情報の90〜95%は公開情報(OSINT)だそうです。
まぁつまり情報を集めることには意味や価値はありますが、あたりまえですが全部は読みきれないです。そこで自分で新聞記事でも集めて全文検索ができるようにでもすればよいとなります。特に日本の新聞は「こんな事知ってて当然」という感じの書き方で、全文検索してもそれ以前に見つける事のできない事項を当たり前のように書いて、それについて解説もないという事が多々ある気がします。新聞全文検索をしない人はどうやって新聞を読んでいるのだろうか、読んでいないに等しい読み方しかしていないのだろうかと思う事もあります。それで読みきれないほどの情報があふれた今の状態が、できるだけ一次資料に近い情報を読もうという気を多くの人から奪い、おかしな情報を再生産し続ける人を生んでいるのだと思います。まぁ新聞が偏っているんだから俺たちだって偏っていいという人もいるんでしょうが。
責任ある人からの情報が集まっていて、かつ今すぐ読まなくても後から検索で読めるというサイトがあればある程度のお金を支払ってもいいと思うのですよ。ただ、月額○○円で元を取るために読まなければいけないというのは、お金を払う気になれません。たとえばEvernoteには金を払っていまして、はてブしたページやTwitter関連を全て自動保存するようにしているのですが、検索結果に検索文字を中心としたスニペットが出ないので自分としてはそこは不満ですが。